忘れちゃうから

趣味の記録 主に本、映画、舞台、美術、手芸(はんぶん日記)

夜の底は柔らかな幻 上下 恩田陸

カバーが綺麗。

夜の底は柔らかな幻 上 (文春文庫)

夜の底は柔らかな幻 下 (文春文庫)

主人公が途鎖国に入る列車で周囲の状況を伺っているところから物語がスタートする。

解説が特になく状況がわからないまま緊迫した雰囲気のまま進んで行く。

 

読んでいくと主人公が超能力的な力が使えるかつそれを隠していることがわかる。

鎖国では力を持っている者の入国を制限しているためだ。

 

いろんな恐怖、敵と思えるものを巻きながら自身の目的を遂行するために動く主人公。

 

その目的も途中まで明かされず、力の内容とか使われ方も徐々に明らかになっていく。

過去の因縁とかわかってくると葛城も最初ほど怖い人間に思えなくなってくる。

 

下巻で森に入ってからは大体の登場人物がどんな人なのか、その目的はなんなのか、敵なのか味方なのかがはっきりしていく。

 

終わり方はかなり批判が多いかも。謎なままほっぽり出されてるとこが多いからかな。

ややいろいろ唐突だし。

 

それが恩田陸らしさでもあるけど。

 

そういえば読んでて竹って綺麗だけど気持ち悪いって思って、自分と異質なものを気持ち悪いと思う自分を恥じた。

 

これの登場人物のエピソード0集みたいな、終わりなき夜に生まれつく、を早く読みたい。

文庫化待ち望む。

ハクソーリッジ

久しぶりの戦争映画。

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太平洋戦争、沖縄での戦いをアメリカ側から描いているもの。

 

日本との戦いというより、戦下の価値観と戦った男の話という感じ。

人を殺さない、銃を持たないという信念を曲げずに、志願兵になってやっていくことがどれだけ大変か…!

 

信念を曲げないこと、本当に凄い。

これが実話を基にした話なのも驚き。

 

アンドリューガーフィーの演技よかった。沈黙の時も思ったけど。

そして妻役の人可愛かった。笑

深い川 遠藤周作

遠藤周作は、海と毒薬と沈黙以来。

ディープリバー。

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 会社の先輩がこれまでの人生で一番気に入ってる本ということでおすすめしてくれたゆえに読んだ。

 

作りとしてはオムニバスっぽい感じ。一応続いてるけど。

 

最初、妻に旅立たれてはやく帰ってこいよっていうくだりで泣けた。

 

そしてモイラの、神を玉ねぎと言い換える会話。本当に面白い。

深い話し合いなのに一気にそれが中和される。

 

インドに旅立った時点から感じてたけど、私にはまだこれを理解するだけの器がない気がした。