夜の底は柔らかな幻 上下 恩田陸
カバーが綺麗。
主人公が途鎖国に入る列車で周囲の状況を伺っているところから物語がスタートする。
解説が特になく状況がわからないまま緊迫した雰囲気のまま進んで行く。
読んでいくと主人公が超能力的な力が使えるかつそれを隠していることがわかる。
途鎖国では力を持っている者の入国を制限しているためだ。
いろんな恐怖、敵と思えるものを巻きながら自身の目的を遂行するために動く主人公。
その目的も途中まで明かされず、力の内容とか使われ方も徐々に明らかになっていく。
過去の因縁とかわかってくると葛城も最初ほど怖い人間に思えなくなってくる。
下巻で森に入ってからは大体の登場人物がどんな人なのか、その目的はなんなのか、敵なのか味方なのかがはっきりしていく。
終わり方はかなり批判が多いかも。謎なままほっぽり出されてるとこが多いからかな。
ややいろいろ唐突だし。
それが恩田陸らしさでもあるけど。
そういえば読んでて竹って綺麗だけど気持ち悪いって思って、自分と異質なものを気持ち悪いと思う自分を恥じた。
これの登場人物のエピソード0集みたいな、終わりなき夜に生まれつく、を早く読みたい。
文庫化待ち望む。