キネマの神様 原田マハ
原田マハは結構すきな作家さんの一人。(まだ読んでいない作品も結構あるから、これから読むのも楽しみ)
特に、#9(ナンバーナイン)はわたしの好きな小説ベスト5に入るぐらいツボな作品。
そんなこともあって、書店では原田マハの棚から読みたい本を探していた。
そして、2015年最初に読む小説として、原田マハの「キネマの神様」を手に取った。
いちばん好きな映画を、
いちばん好きな人と
観にいって下さい。本作を読んでから。
帯には、手書きの文字で上記のようなキャッチコピーが。
ここ3ヶ月程、現実で直面している懸案事項に頭が支配されていて、一人でゆっくり映画を観たり、本を読んだりする心の余裕が持てない状態だった。
映画はシネコンで友人に誘われたディズニー映画などを観る程度、本は実用書ばかり。
やっと切り替えがつき、なるようになるさ(なるようにしかならないさ?)的思考を回復して、「また、映画が観たいなあ」と思っていたところに、この作品を見つけた。
内容について、、
読んだ印象は、とても夢が溢れている素敵な話だなあというもの。
無理な流れも結構有るけど、読んでいて明るい気分になるお話だった。
はちゃめちゃな父に振り回される主人公の歩は読者の視点。映友社のどん底からの逆転劇には歩と一緒に心が躍った。
ギャンブル依存症で母を困らせてばかりの父はスペックだけでみると、本当にどうしようも無い父親だけど、なんだか憎めないキャラクターで。
その他、テラシンや新村、興太などなど、父の魅力に魅せられたこれまた魅力的な登場人物たちが物語に更なる彩りを加えていた。
感受性が強すぎるのか、はたまた人との縁に飢えているからなのか、おかしいくらいに随所で涙腺が刺激された。
以下、この本を読んで増幅された欲の数々。
・映画が観たくなる。
とりあえず、ニューシネマパラダイスとフィールドオブドリームスは近いうちに観たい。
・特に名画座に行きたくなる。
そんなに行ったことがない。行ってみたい。お気に入りの映画館を見つけたい。
・家族に会いたくなる、つくりたくなる(幸せはいろんなところに溢れてる!)
父を見守る母、その母を見守る歩の視点が素敵だった。
・周りの人をだいじにしたくなる(仲間の存在)
清音の性格のよさを見習おう。魅力的な人の周りには魅力的な人が集まる。
これらの欲求を満たすことも頭の片隅におきつつ、2015年過ごしていこうかなーと思っている次第。
という訳で、とっても満足度の高い読書たいむになったのであった。
(ちゃんちゃん。)