何者 朝井リョウ
よく後味悪いと言われているけど、そうでもないじゃんって思いながら読んでいたけど、
やっぱり苦々しかった。
朝井リョウには時代感がある。
SNSでの頑張ってるアピール、他人と違う自分アピールをする者、裏垢に好き勝手書く者、それをメールアドレスの検索で読む者。
なんとなく、そういう人がいる気がする。
昨年就活を終えた身としても、就活中の仲間内での心理戦みたいなものは感じていた。
友達の内定先に凄いなあと言いながら、裏では小さい企業だからなあとかこぼしたりしている人とか。
大きい企業なら採用数が多いからなあとか言って他人を見下すんだろう。
そういう気持ちが透けて見える人は一定数いた。
バイトを仕事という人に対して、揶揄する気持ちが自分にもなくはないなあって思って、
なんとなく主人公に近いものも感じた。
そんな中でも真っ当な人はいる訳で。
そんな些細なことに気を取られずに、自分の進む道を見つめ続けられる人になりたいも思った。