忘れちゃうから

趣味の記録 主に本、映画、舞台、美術、手芸(はんぶん日記)

秘密のスイーツ 林真理子

とってもよかった。
林真理子の作品が苦手な人にも。

([は]1-6)秘密のスイーツ (ポプラ文庫 日本文学 ([は]1-6))

理沙はほんとうに自己中心的な小学生。
だったんだけど、戦時中でチョコも食べられない雪子との関わりの中で、優しさを身につけていく。

いつもばくばく食べていたチョコも、雪子にとってはとても嬉しくて大切なことなんだって気づいたシーンとか、
雪子のためにクッキーを焼いて感謝されることに喜びを感じはじめるところとかにぐっときた。

学校の写真を送ってあげたいからって、学校に通って教室やパソコンの写真を撮ったり、遠足のバーベキューの様子を撮ったり、以前はできなかったことができるようになっていく理沙。

雪子との出会いが、お母さんの携帯を隠した意地悪心からっていうのが、ちょっと皮肉だけど。
どんどん変わっていく雪子に感動した。


細かいところだけど、
沢田くんのお父さんはキャンプに連れてってくれていいなあ、自分のお父さんは家電量販店もかデパートばっかだ、っていう発言はちょっとお父さんが気の毒だと思った。
十分いいお父さん。

SF好きの人とかだと納得いかない部分も多いかもしれない(電波のこととか)けど、
ほっこりするまとまった話だった。

涙がホロリな話だった。