50回目のファーストキス
最初は思ったよりコミカルな感じの映画だなって思ったけど、もうDVD作成する流れのあたりからつらくて。なんども出会ってなんども恋をしてなんどもファーストキスをする。1日で受け入れる彼女と1日ですきにさせるだいすけは運命だと思った。
二人のことを書いた日記、写真を消しても消してもクラウド化のせいで何度でも写真が蘇ってふとしたタイミングで思い起こさせてくるつらさ、ものすごくわかるなと思った。私は消す勇気もないけど。
頭の中も同じで。忘れようとしてもあごのモノマネのくだりとか、記憶がクロスする。いつも、ふとした瞬間に、このことを彼に話したいって思って、そんなタイミングないよなって思って、覚えてておく必要がないことを虚しく思う。こんなに身が捩れるような思いをしたことがなくてどうしたら良いのかわからない。こんなふうに思っていてもいつか大丈夫になるのかな、なんて。
私は大好きで忘れられないのに彼に忘れられるのが悲しい。彼の未来と交われないのが悲しい。忘れられるのがとても悲しくてつらい。でもどうしようもないから、しょうがない。どうやって折り合いをつけているんだろうと思った。
50回目のファーストキスはお互いに思い合えていたから、そんなタイミングがあっても乗り越えられた。前までは、毎日朝起きて、記憶がない自分に絶望するところからのスタートだったけど、映画の最後では、現状を受け入れて結婚したり子供ができていたりすることに感動できるようになっている彼女を観てとても素敵だなと思った。そして、彼女をそんな気持ちにさせるために試行錯誤した彼も、とても素敵。
いつかそんなふうに思い合って行動しあえる相手に出会えたらいいな。
嘘を愛する女
嘘なんかじゃないと思った。
彼女と五年も暮らした男、なんにも知らなくてもすきだったんだな。彼がどんな人であるかなんて、肩書きとかではなく一緒にいた時間に現れていたと思うから。
彼が偽名で隠してることばかりだとわかったとき、彼女といて安らいだ瞬間はあった?ちょっとでも心から笑えてた?って聞きたくなった。
彼女の痛々しさに指がひんやりした。なにもかもがうまくいかなくなって、うまくいかないから仕事でも心にくること言われて、自分は奢ってたのかもしれないって一気に突き落とされる感覚。
時間が止まった家に行ったとき、書いていた小説の意味がわかって、飛行機で観てるのに涙が止まらなくなった。一緒にいて幸せだったんだって、嘘なんかじゃなかったんだって。感動した。
じゃあ奥さんは?子供は?ってなるのかもしれないけど、じゃあきんちゃんは?って。きっぺいさん、目を覚ましてって心から思った。
誰かに小説のネタにされるくらい愛されてみたい。
戻って来てきんちゃんのベッド脇で独白すること、そんなたいしたことじゃないよっていってあげたい。その現実の生暖かさがいまこの瞬間にはわからないからかもだけど。きんちゃんとしたいこと10個考えたって言うところで、心がぐちゃぐちゃになった。
とても素敵な映画だった。
おんなのこきらい
公開時、地味に気になってたのをAmazonのfireTVstick 買ったのを機に観た。携帯でAmazonプライム観てる時はあんまこういう作品観ないけどテレビでだとなんとなく観れるという。
キリコ可愛い。てゆうか、森川葵ちゃん可愛い。そして細い。小顔。
自信がある女の子ほんとうに羨ましいって最初思ったけど、自信がないからこそ可愛くしてるのかなと、観進めてみて思った。可愛い女の子のへの憧れが最近強すぎて、いいなあとしか思わなかったけど。
好きな人の前で徹底的に可愛く振る舞えるキリコほんとうにすごい。
本当の自分見せてなくなるもんなんて最初から無いってつまみ細工の人(幸太)にキリコが言われてて、ほんとうは響くポイントなのかもだけど、私は違和感しかなかった。正直何が本当の自分かなんてわからないし、つらい感情を吐き出したところでいいことなんてない。あんなにずっと一緒にいたゆうとくんだって、悪い面を人の本当の姿だと考えちゃいがちな一般的な傾向そのままで、これまでキリコが努力してたのが無駄になったみたいでかわいそうだった。
こんな可愛くても報われなくて、常に空虚感抱えてるなんて、ほんとうに世の中つらい。情緒不安定で可愛くもなく意地悪なとこがないわけじゃ無い誰とでも寝るサヤカがゆうとくんに選ばれるというかサイドに立たれるなんて世の中どうかしてるって思っちゃう。でも割と現実味ある。こういうクソビッチがモテる世の中に絶望感。
結局、幸太が慰めてくれるけど、自分の気持ちを吐露するあたりからあれらって思った。めっちゃ説明的。幸太が無条件で優しすぎるとこと正論ぽいことめっちゃいってくるとこと、それにキリコが影響されるとかで がやや現実味削がれた。なぜ片付けまでしてくれるんだ幸太。
ただ、茜ちゃんはまじでただただかわいそう。そんな奴と付き合うなって言われたらそれまでだけど、そんなに傷つく必要だってなかったのに。
こんなに可愛いキリコでも満たされてないんだから、私なんかが悩むのは当たり前なんだなあって思って変な感じに慰められた。女のめんどくささを肯定されたような。全然頑張れてないのに一丁前に悩んでばかみたいだ。