東京タワー 江國香織
透に思われる詩史になりたいと強くおもった。
詩史の私は私の人生が気に入ってるの。幸福かって言われるとわからないけど、幸福かどうかはそんなに重要じゃないってすごくわかる。
彼女はとても思慮深くて自分を理解している。大人の女性ってこう言うことかとおもった。
対して、喜美子とかは感情の処理が下手なまま大人になってしまった例で。よくわからないけど喚かれたりすると男の人って嫌になるものなんじゃないのかな?逆に燃え上がるとかが不思議だった。そしてりかちゃんはそんな男のどこが好きなんだろうとおもってたけど天真爛漫で他におばさんの恋人がいるなんて思いもよらず、マメなとこで愛されてると実感できてて、それなら幸せなのかなあとおもったりして、難しいなとおもった。みんなこんなもんなら、気づかないでいられるほうが幸せなんだろうなあ。ただもうこんな天真爛漫でまっすぐな人間には戻れないけど。
だからこそ詩史に憧れた。